マウスの足関節底屈筋力を非観血的に定量評価する

マウス用足関節底屈 筋力測定装置



マウスの足関節筋力はラットの1/3〜1/5と小さく、幼体や病態モデルマウスとなるとさらに小さくなります。筋力に対する治療効果等を定量的に評価するためには細かい分解能を持った測定が必要です。本装置はそんな繊細なマウス足関節の筋力の差異を定量的に評価するために、前項の「小動物用足関節運動装置」を改変し、トルクセンサーから変更して1Nフルスケールのロードセルを採用しました*1 。これにより、導入コストを抑えるとともに、マウス足関節の等尺性収縮に特化して繊細な筋力測定を可能としました。

*1 スティッピングモーターは付帯させていません。そのため、他動的な足関節運動や遠心性収縮 を行うことはできません。

機構

電気刺激装置(必須)によってマウス足関節底屈筋群を収縮させた時*2 に、マウス足底が足底板を押す力をロードセルによりとらえます。ロードセルの位置はマニュピレータ―により調節可能であり、加わった力と足関節軸からロードセルまでの距離の積でトルクを算出することができます。予め、コントローラーに距離の値を定数として入力しておくことで、リアルタイムに測定されたトルク値をモニターすることも可能です。マウスの足関節軸の位置は、架台に付帯するレーザーマーカで調整します。
*2 非侵襲的に電気刺激による筋収縮を誘発するために、マウス用の表面電極(必須)が有効です。


架台部

マウス固定用ベッド

  • ベルクロバンドでマウス体幹・大腿部の固定が可能です。
  • 底面は磁石で架台部に強固な設置ができます。
  • 頭部部分は麻酔用マスク(約φ20 mm)がはまるように設計されています。

仕様
ロードセル レンジ 2Nフル*3
測定トルク 0.005 mN・m~50.0 mN・m (軸-センサー間距離25mmの場合)(最小分解能0.2mN×”20~30mmの間で任意”)
寸法(架台部) 250 mm(W)×200 mm(D)×150 mm(H) ※支柱は含まず
レーザーマーカー(支柱)高さ:200 mm
寸法(コントローラー) 260 mm(W)×330 mm(D)×180 mm(H)
電源 AC100V 3A(50/60 Hz)
*3 1Nフルのロードセルにも変更可能ですが、ほとんどのマウスの筋力は2Nフルで測ることができます。

本装置は大分大学福祉健康科学部、河上敬介氏の基本構想の基、名古屋学院大学リハビリテーション学部伊東研究室において実験データを蓄積し、確立しました。

特長

1) マウスの筋力を経時的・定量的に評価できる

  • 表面電極を用いることで経時的に、細かな筋力の変化を定量的に評価することができます。

2) 定量的な等尺性収縮運動が可能

  • 発揮されるトルクをモニターしながら、電気刺激の頻度や強度等を調整することで、運動強度を管理した等尺性筋収縮運動が可能です。

文献

Y Itoh et al.(2017) Muscle & Nerve 55(2).243-253


型式 品名

NGM-1

マウス用足関節底屈トルク測定装置(データロガー付)
EK-1510SUS マウス用表面電極(ゴールドピン) *
mBED マウス固定用ベッド *
  電気刺激装置、アイソレータ *
*マウス用足関節底屈トルク測定装置の使用には必須の商品となります。

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