増え続けるパッチクランプ法による効率的なイオンチャネルスクリーニングのニーズを完全に満たすべく、ナニオンはSyncroPatch 96を開発しました。
96細胞 (ホールセル記録)、ギガシール形成、高い実験成功率を実現したSyncroPatch 96は、高精度のスループットを誇ります。電位依存性だけではなくリガンド依存性チャネルにも適用可能で、ハイコンテンツなパッチクランプ法による効率的かつ信頼性の高い化合物スクリーニング、安全性試験をきわめて容易に実施できます。
SyncroPatch 96のスループットは、5,000データポイント/日に達します (実験成功率60%)。小サンプル (~50μl/ウェル) で化合物をスクリーニング可能で、384ウェルなどの様々なプレートフォーマットに対応しています。フルオート運転、バーコードによる化合物プレートの認識・登録により、SyncroPatch 96は実験者不在でも効率的かつ確実に稼働させることができます。
記録例 |
リガンド依存性、電位依存性チャネル、シングルチャネル |
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細胞 |
HEK, CHO, RBL, Jurkat, PC12, L(tk), Erythrocytesなど |
チャネル例 |
Nav, Kv, Kir, GABAA, hGlyRα1, CFTR, hERG(hKv11.1), vesicles (Gramicidin) |
SyncroPatch 96では上図のように96細胞全ての状態をオーバービュー表示することができます。シール形成に関してもGUIが1GΩ以上の細胞を緑、500~999MΩを青でわかりやすく表示しています。画面左下に選択した8つのトレース、画面右上には現在選択中のトレースを表示できます。
SyncroPatch 96のチップもPort-a-Patch、Patchliner同様にホウケイ酸ガラスを使用しています。純粋なガラスチップを使用しているためホールセル記録の高いデータ品質と低ノイズ測定を実現しています。 また、ガラスチップを採用することにより細胞の種類を選ばず、幅広い種類の細胞を対象に実験ができるだけでなく、化合物の吸着を最低限に抑え、より正確な薬効評価を行うことが可能となります。
SyncroPatch 96はホールセル記録では世界最速のスループットを持ちつつ、非常に高いサクセスレートも持っています。 右図はHEK293細胞を使用してSyncroPatch 96で実験を行った際のシール形成率を示したグラフです。51%の細胞が1GΩ以上のシール抵抗、32%の細胞が500~999MΩのシール抵抗を示しており、およそ8割の実験成功率を有することがわかります。
ハイスループットモデルSyncroPatch 96でもフルオートで細胞内灌流を行うことができます。右図はKv1.3の内液をCsに灌流した際のトレースです。内液をCsに灌流するとK+電流は抑制され、その後内液を通常のK+溶液に戻すことで、K+電流が回復していることがわかります。
TRPV1
Nav 1.5
GABAA
SyncroPatch 96はPatchmasterではなく、Nanionが開発したソフトウェア上で動作します。右図はソフトウェアのプロトコルエディター画面です。非常に簡単にパルスプロトコルを作成することが可能です。パッチマスターと同様にリークパルスの設定も可能です。
また、プロトコルエディター内で解析の設定を行うことにより、96細胞からのデータをオンラインで解析・表示することができます。
右下の図はオンラインでI-Vプロットを表示している様子です。
SyncroPatch 96では、IC50値も記録ソフトウェア上で迅速かつ自動に算出することができます。各細胞から得られた結果をグラフィカルに一括表示することができるので、一目で全体の結果を把握することができます。
型式 | システム構成 |
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10 1001 | SyncroPatch® 96 Screening Platform
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