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挿管中にイソフルランを供給できるため、小動物への挿管が容易

気管内挿管キット(マウス用、ラット用)



研究者にとって小動物での挿管は課題でもあります。Kent Scientificの麻酔マスク一体型挿管キットは、挿管中にイソフルランを供給できるため、小動物への挿管が容易になります。
首の角度を調節できるため、気道構造を調整し声帯を見えやすくします。光ファイバーガイドライトで気道に光を当て、見えやすくします。

挿管キットには以下のものが含まれます

  • 動物を60度に保つ挿管ベース
  • 動物の頭の位置の調整できる挿管スタンド 
  • 挿管中に麻酔を供給する麻酔マスク
  • 麻酔マスク用チューブとコネクター
  • 光ファイバーライト
  •  挿管カテーテル (5個) 
  • 縫合糸 1m
  • スパチュラ
  • デンタルミラー
  • 電源

挿管チューブセーフティウェッジは、カテーテルの気管への挿入を補助し、カニューラを深く挿入しすぎることを最小限に抑えるように設計されています。挿管中、ウェッジはカテーテルの先端を喉頭と頸骨の間の適切な位置に誘導します。カテーテルが挿入されると、タイトフィットにより両側換気が確保され、カテーテル周囲からの空気漏れが減少します。



型式 品名
ETI-MSE マウス用挿管キット
内容: 挿管台プラットフォーム×1個、挿管台スタンド×1個、挿管台用麻酔マスク&チューブキット(マウス用)×1式、光ファイバーライトキット(マウス用)×1式、カテーテル20G×5本、縫合糸×1m、スパチュラ×1本、デンタルミラー×1本
ETI-RAT ラット用挿管キット
内容: 挿管台プラットフォーム×1個、挿管台スタンド×1個、挿管台用麻酔マスク&チューブキット(ラット用)×1式、光ファイバーライトキット(ラット用)×1式、カテーテル16G×5本、縫合糸×1m、スパチュラ×1本、デンタルミラー×1本
仕様
マウス用ベース部 10.2cm x 15.2cm
マウス用スタンド部 7.6cm x 16.5cm
ラット用ベース部 12.7cm x 25.4cm
ラット用スタンド部 20.3 x 25.4cm


気管内挿管(Intubation)— マウス・ラットのための実践ガイド

マウスやラットへの気管内挿管は、小動物実験における麻酔管理や人工換気を安全に行うための基本手技です。適切な装置と手順を使えば、挿管は迅速で再現性の高いものになります。ここでは、装置の選び方、準備手順、実際の挿管テクニック、確認法、そしてよくあるトラブルとその対処法をわかりやすくまとめます。

必要な装置とその役割

  • インテグレーテッド麻酔マスク(integrated anesthesia mask):麻酔ガスを安定して供給しながら挿管のために顔周辺を固定します。
  • 挿管スタンド(intubation stand):頭部を安定させ、プラットフォームの回転で気管の直線化を補助します。
  • エンドトラケアルチューブとキャスケット(catheter):気管内に挿入するチューブ本体。先端の形やサイズに注意します。
  • セーフティウェッジ(endotracheal tube safety wedge):チューブの周囲の漏れを減らし、挿入のガイドと固定を補助します。
  • ファイバーオプティックガイドワイヤー(fiber optic guide wire):喉頭・気管の可視化を助ける光源付きガイド。チューブ先端から3〜5 mm突き出す設定が目安です。
  • 小鏡(small mirror):呼気による結露で気管内挿入の成否を確認します。
  • 縫合糸(suture):上顎の切歯にかけて頭部を固定します。

 

準備手順(手順概観)

  1. 麻酔器とインテグレーテッド麻酔マスクを接続し、挿管スタンドに麻酔回路を通します。
  2. 挿管スタンド上部のねじに縫合糸を十分な長さで結んでおきます。これは動物の切歯を固定するために使います。
  3. チューブにセーフティウェッジをスライドさせ、ハブ側まで位置を合わせます。ウェッジは換気中のリークを減らします。
  4. ファイバーオプティックガイドワイヤーのライトを点灯し、チューブ先端から約3〜5 mm出るよう調整します。
  5. 動物を麻酔させ、頭蓋底が上部プラットフォームの回転軸と一致するよう配置します。これにより頭頸部の自然な回転で気管が真っ直ぐになります。

 

挿管の実際の手技

挿管は落ち着いて、確実に可視化しながら行うことが重要です。手順を順を追って説明します。

  1. 縫合糸を上切歯の下に通して、動物の頭部をスタンド上に吊るすように支持します。背側がスタンドに乗るようにすると安定します。
  2. 麻酔マスクを顎の筋肉に合わせて下ろし、密着させます。マスクが頭部に過剰な圧をかけないことを確認します。
  3. 小さなスパチュラを使って舌を片側に軽く引き、気管入口(声門領域)を視認します。
  4. ファイバーオプティックガイドを頼りにチューブを挿入します。ガイドで声門が見えなくなるまで慎重に進めます。
  5. チューブが所定の深さに来たら、片手でチューブをハンドルから優しく外し、もう一方の手で動物の頭部を支えてチューブ位置を保持します。

 

挿管の確認とその後の処置

気管内挿管が正しく行われたかどうかは、簡潔で信頼できる方法で確認します。

  • チューブのハブ部に小鏡を当て、呼気時に鏡面に結露(condensation)が生じるかを観察します。結露が見られれば気道内に正しく位置しています。
  • 確認後、必要に応じてチューブを人工呼吸器(ベンチレーター)に接続します。
  • チューブの固定が必要であれば、適切に固定して挿入位置がずれないようにします。

 

挿管のコツと注意点

  • 視認性の確保:ファイバーオプティックライトは視野を明確にするために重要です。ワイヤー先端は3〜5 mmを目安に調整します。
  • 気道の直線化:上部プラットフォームの回転で頭頸部の角度を調整し、気管をできるだけ直線化して挿入しやすくします。
  • リーク低減:セーフティウェッジは微小なリークを減らし、換気効率を高めます。適切に装着してください。
  • 穏やかな力加減:チューブの挿入や取り外し時に強く引かないこと。気道損傷を避けるため、常に優しく扱います。
  • マスクの位置:麻酔マスクが頭部に下向きの圧力をかけないよう注意します。密着は必要ですが圧迫は禁物です。

 

よくある問題と対処法

  • 視野がすぐに失われる:ライトやワイヤーの位置を再調整し、唾液や分泌物で視界が遮られていないか確認する。
  • 換気時のリークが大きい:セーフティウェッジの位置を確認し、チューブのサイズが適切か検討する。
  • 鏡に結露が見られない:チューブが食道に入っている可能性があるため、再度視認しながら挿入深度を調整する。
  • 動物の頭部がずれる:縫合糸の固定方法やスタンド上の支持位置を見直し、安定させる。

 

まとめ

マウスやラットの気管内挿管は、適切な器具と段取り、そしていくつかの小さなコツで安全かつ効率的に行えます。インテグレーテッド麻酔マスクと挿管スタンドを組み合わせ、ファイバーオプティックガイドとセーフティウェッジを活用することで、視認性の向上とリークの低減が期待できます。

正確な挿管確認(鏡による呼気の結露確認など)とチューブの確実な固定を忘れずに。手技の習熟は安全性と再現性を高めるために不可欠です。





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