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CardioExcyte 96 control ソフトウェアは、拍動パラメーターのオンライン解析をサポートしています。独自のMeanBeat機能は、各ウェルの拍動トレースを自動で平均化して標準偏差と共に表示します。よって、細胞ネットワークが完全に同期しているかどうか、異常な拍動があるか等、測定ウェルでの拍動パターンの整合性を瞬時に確認することができます。
制御ソフトウェアは直感的かつシンプル操作で、実験のセットアップからオンラインでの測定データの視覚化まで、使いやすさを追求した強力なソフトウェア構成になっています。
DataControl96ソフトウェアパッケージは、CardioExcyte96の測定データの読み込みから解析を行う、独立した解析ソフトウェアです。カスタマイズ可能な解析結果のエクスポートフォーマットも統合されています。
解析テンプレートの保存とリロードにより標準化がサポートされています。例えば、コントロールグループによる標準化、またはプールした多くのウェルのデータららの標準化が可能で、各ウェルごとの化合物の影響、または全ウェルで平均化した用量反応曲線を容易に調べることができます。
CardioExcyte 96は、高分解能のインピーダンス法による収縮力測定、細胞外電位測定と生細胞率のモニタリングが可能なハイブリッド装置です。卓上サイズで、全自動の96ウェル同時測定が可能です。CardioExcyte 96は、制御回路内蔵の測定プレートと高度なセンサー技術により、効率的な心臓安全性スクリーニングと長期間での生細胞率の評価を可能にしたターンキーシステムとなっています。
CardioExcyte 96は多くの市販の幹細胞由来心筋細胞(NCardia社、セルラー・ダイナミクス・インターナショナル社、タカラバイオ社、GEヘルスケア社)及び3D-心筋塊(タカラバイオ社)等で評価済みです。
幹細胞由来心筋は96ウェルベースの測定プレートに播種し、自律拍動が同期するまで培養します。投薬を行い、拍動パターンに対する時間依存的、用量依存的作用を評価します。
CardioExcyte® Controlソフトウェアの網羅的な拍動評価アルゴリズムにより、リアルタイムで詳細な薬物動態解析を行うことが可能、さらに拍動パラメーターは瞬時に可視化されます。
Mean Beat 機能では、拍動トレースの平均値を細胞ネットワークの収縮の同期性を示す標準偏差と共に1トレースとして表示されます。
ハイブリッド測定モード | インピーダンス、細胞外電位 (MEA-様) |
インピーダンス測定分解能/帯域 | 1~10 ms, 1~100 kHz |
シグナル分解能 | 16 ビット |
同時測定チャンネル数 | 96 |
温度センシング | 測定センサープレートに統合 |
評価済みヒトiPS細胞 | Cor.4U®、iCell®、MiraCellTM cardiomyocytes、Cellartis hiPS-CMTM、Pluricyte等 |
評価済みヒトES細胞 | hES-CMCTM、CytivaTM |
評価済みマウスES細胞 | Cor.At® |
CardioExcyte® 96 は、拍動心筋ネットワークの非侵襲的なin-vitro測定を可能にし、in-vivoの心毒性評価とパッチクランプ法による化合物スクリーニングのギャップを埋めます。拍動パターンの変化から特定のイオンチャネルへの影響を予測できるためパッチクランプ法によるフォローアップ試験までを円滑に構成できます。
このように、CardioExcyte® 96 は自動パッチクランプ装置によるアッセイを補完し、効率的で信頼性の高い安全性、心毒性スクリーニングを実現する優れた評価系といえます。
CardioExcyte® 96 は 同じ測定ウェルからの高分解能のインピーダンス測定と細胞外測定を実現する唯一のシステムです。
細胞外電位測定におけるFPD(field potential duration)やインピーダンス測定のPW(pulse width)などの解析パラメーターは心筋細胞の収縮活動と電気的活動において相関関係を示しますが、同様の挙動を示すパラメーターであっても心筋の再分極過程の異なる様相を示します。ハイブリッド測定方式は、in-vitroの心毒性評価の重要性と品質をさらに向上させます。
CardioExcyte 96 は高解像度のインピーダンス測定とMEA様の細胞外電位(EFP)のマルチパラメトリック測定を可能にしたハイブリッド装置です。卓上サイズの省スペース設計で、96ウェル同時の全自動測定が可能です。独自の制御回路と高性能センサー技術により誰でも簡単にお使いいただけるため、CardioExcyte 96は iPS細胞由来心筋細胞等の拍動ネットワークの効率的測定のターンキー・システムとして最適です。
CardioExcyte 96 SOL は、高輝度LEDを搭載した光学刺激用トップカバーです。光駆動性陽イオンチャネルであるチャネルロドプシン2(ChR2)導入細胞などを空間的にも均一に刺激できます。
iPS細胞由来心筋細胞へChR2導入後、細胞が青色光で刺激可能になります。照射のたびに細胞の膜電位は脱分極し、活動電位が生じます。
光刺激の電気刺激に対する優位性は、極めて正確な刺激タイミングであり、拍動ネットワークを構成する全ての細胞は光照射と同時に刺激されます。一方、電気刺激はウェル内の電極から伝播するため、細胞は徐々に刺激されます。
光刺激による精密なタイミングの拍動から得られた拍動パラメータの解析により、詳細な化合物解析および用量依存性が得られます。
これら一連の制御、解析プロセスもCardioExcyte96システムに同梱されているCardioExcyteControl/DataControlソフトウェアパッケージですべて行うことができます。
CardioExcyte 96 SOL 光刺激オプションは CardioExcyteControlソフトウェアに完全統合でき、光刺激によるインピーダンスと細胞外電位(EFP)の波形はデータ解析時に高精度にオーバーレイされます。光刺激は全ウェルだけでなく、ウェルの一部に対してON/OFF設定が可能です。また、細胞に対して連続した光刺激、任意のスケジュールで光刺激することができ、極めて柔軟な光刺激実験を可能としています。
FLEXcyte 96 は、新次元の心筋細胞のin vitro収縮力測定を実現します。心筋細胞に対して成分が明確かつフレキシブルな器材を使用することは成熟化および成熟化細胞の応答を促し、ハイスループットでの幹細胞由来心筋細胞の薬理評価系を可能にします。細胞は弾力性培養器材上に単層で接着し、同期拍動する単層細胞の収縮力が96ウェルプレートで測定されます。この独自技術により、心臓の機械的条件に近い生体を模した環境を実現しています。
FLEXcyte 96は心毒性および安全性、高効率スクリーニングや基礎研究における構造的、機能的な収縮力測定のターンキーシステムです。
FLEXcyte 96 は CardioExcyte 96 の追加オプションです。FLEXcyte 96 ディスポ式プレートは厚み10 μm以下かつ高度な表面処理を行ったPDMS膜(ポリジメチルシロキサン膜)であり、nativeなヒト心筋組織の生理学的な伸縮性と強力な機械的支持を実現します。心筋の律動性収縮は96ウェルのPDMS膜を培地の重みで偏向しながら上方へと持ち上げます。この偏向の変化を測定することで機械的応力が計算されます。
システムは多様な市販の幹細胞由来心筋細胞(Ncardia、FUJIFILM Cellular Dynamics, Inc. (FCDI)、Axol、NEXEL社など)でバリデートされています。ヒトiPS細胞由来心筋細胞(hiPSC- CMs)は陽性変力反応を示し、「成熟化」の為に追加でペーシング等のよる刺激が必要ありません。
僅かな細胞の応答も見逃しません。心筋細胞の収縮力測定により慢性および急性の両アプリケーションにおける安全性、有効性、毒性評価を確実に実施できます。LEXcyte 96 は完全自動の測定装置であり、96ウェル同時測定が可能です。
CardioExcyte 96/ FLEXcyte 96 パッケージには専用のインキュベーションシステムが含まれており、通常の培養インキュベータは不要です。システムを実験台に設置したままで温湿度およびCO2がコントロール可能です。
CardioExcyte 96/ FLEXcyte 96 システムにはデータ解析とエクスポート用の強力なソフトウェアパッケージが同梱されており、効率性と簡便性を支える大きな特徴のひとつとなっています。