Port-a-Patchはプレーナー・パッチ電極を使用した1chのオートパッチクランプ装置です。浮遊化細胞に対し、ギガシール形成、ホールセル形成までを自動で行ないます。細胞内液、外液、細胞懸濁液、薬液等の適用および灌流はピペッティングまたは自動灌流装置で行ないます。その簡便性とデータ品質でユーザーの絶大な支持を受けるPort-a-Patchは、ピペットとマウスの簡単操作で50データポイント/日まで高品質なデータ取得が可能です。
細胞は培養細胞や初代培養細胞等を使用でき、特許のガラスチップ加工技術により、ホールセル記録だけでなくシングルチャネルや脂質平面膜法、perforated-patchにまで適用可能です。Port-a-Patchのディスポ式ガラスチップは、hERG阻害剤のような“stickyな”化合物の安全性薬理試験にも最適です。さらに古典法でも困難な細胞内灌流を全自動灌流装置(業界初)でルーチンに行なうことも可能など、オートパッチ屈指の広範なアプリケーションとデータ品質を誇ります。
専用のガラスチップには~1µmの細孔が空いており、その上に細胞を接着させます。サクションコントロールにより1細胞をランダムに捕獲し、ホール形成まで自動で行ないます。
チャンネル数 | 1 |
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記録方法 | ホールセル記録, 穿孔パッチ, シングルチャネル, 脂質平面膜 |
パッチ電極材質 | ホウケイ酸ガラス |
実験成功率 | 60-90% (細胞種に依存) |
シール形成 | >1GΩ |
アクセス抵抗 | 2 - 10MΩ |
適用イオンチャネル | 電位依存性, リガンド依存性, 再構成チャネル |
カレントクランプ | 可能 |
細胞内灌流 | 可能 |
温度制御 | 可能(室温-50℃) |
Rs&Cslow補償 | 可能 |
スループット | 50データポイント/日 |
記録例 | リガンド依存性、電位依存性チャネル、シングルチャネル、トランスポーター、脂質平面膜法、温度依存性チャネル、カレントクランプなど |
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細胞:Cultured/Native | HEK, CHO, RBL, Jurkat, PC12, L(tk), T84, intestinal, Neuro2A, 3T3, Erythrocytes, DRG, neutrophils, neonatal myocytes, neonatal/adult fibroblastsなど |
チャネル例 | CNG, GABAA, hGlyRα1, HCN2, ACh, P2X, P2Y, CFTR, hKv.13, heag(hKv10.1), hERG(hKv11.1), hNav1.5, Kir2, k NCB-1, TRPM, TRPC, L型Ca2+, BK(KCa1.1), Mitochondria, painted bilayer/vesicles (Gramicidin, Alamethicin, Bacterial Cytolysin)など |
型式 | システム構成 |
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01 1101 10(20) | Port-a-Patch® LIGHT
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01 1102 10(20) | Port-a-Patch® BASIC
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01 1103 10(20) | Port-a-Patch® PERFUSION
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01 1104 10(20) | Port-a-Patch® PREMIUM
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※()内はアカデミック用の型式になります。
HEK細胞Nav1.5の電位依存性
Port-a-Patchの細胞外灌流システムは、コンピューター制御の電磁バルブと専用のフローチャンバーで構成されています。最大8種の溶液を電磁バルブで自由に操作できます。また、溶液の切り換えはオートでも手動でも行なえます。オートモードでは、フローする溶液情報をラベリングすることも可能です。
Port-a-Patchは、極めて迅速な細胞内灌流を可能にした唯一のシステムです。最大8種の溶液を細胞内へ灌流させて、細胞質側のイオンチャネルへの作用する化合物の評価が可能になりました。細胞内灌流中も安定した記録が可能になり、左図では19回にわたる細胞内液の交換でも35分以上安定した記録が実施されていることが分かります。
Port-a-Patchの温度コントローラーは、生理学的温度での実験や熱刺激などのアプリケーションに使用できます。灌流液やチャンバー内の溶液の温度を同時にコントロールすることができますので安定した温度制御が可能です
巨大リポソームを細胞に置き換えて、脂質平面膜実験を行なうことができます。有機溶媒フリーの脂質膜は正確なイオンチャネルの機能解析に優れている他、ナノポアシーケンスにも応用できます。