SDS電気泳動では経時変化によって、SDSバッファーのpHが低下していきます(Fig. 1)。これは電極間の電気化学反応によって、pHが酸性側に傾くためです。そのため、組織内部のタンパク質の変性に影響する可能性が示唆されています。
SDS電気泳動によって問題になるのはpHだけでなく、急激な温度上昇も問題となります(Fig. 2)。電気化学反応によって生じた熱によってバッファーの温度が上昇し、組織へのダメージが懸念されます。また、前染色をした組織の場合、温度上昇によって蛍光が褪色してしまうため、適切に温度管理をする必要があります。
これら上記の問題点を克服したCLARITYシステムがSmartClear II高速組織透明化システムになります。
Fig. 1 SDSのpH変化の影響
Fig. 2 電気泳動に伴う温度上昇