ファイバーフォトメトリ―はウィルスインジェクション等の遺伝子
操作の手法で特定の脳部位における特定の神経細胞に
GCaMP等のカルシウムインジケータを導入し、光ファイバー
を脳に挿入して神経細胞の活動をカルシウム濃度の上昇
として検出するパワフルな実験手法です。自由行動下で
ファイバーフォトメトリ―を行う場合、動物の頭上に取り付けた
長い光ファイバーが妨げとなり、行える実験の幅が制限
されてしまいます。
「TeleFipho(テレファイフォ)」は通常ファイバーフォトメトリ―
に必要となる光ファイバー、フィルタキューブ、光源、
フォトディテクタなどのコンポーネントに加え、さらにワイヤレス
通信回路までもわずか3gの小さなボディに内蔵した
革新的なデバイスです。マウス・ラットの行動を妨げること
なく自由行動中のファイバーフォトメトリ―が行えます。
右図:
「マウス背側線条体ニューロンの自由行動時のGCaMPシグナル」
データ提供: 慶應義塾大学 田中謙二ラボ 吉田慶多朗様
5Hzロウパスフィルタ適用
2010年、当社は世界初の商用ワイヤレスオプトジェネティクス
「Teleopto(テレオプト)」を開発し、以来マウスに装着できる
超小型デバイス開発のノウハウを培ってきました。そのノウハウを
活かし、再び世界初となる、商用のワイヤレスファイバーフォトメトリー
「TeleFipho(テレファイフォ)」を開発いたしました。日本のメーカー
として、世界の研究市場に通用するオリジナル商品を創ることが
当社の開発へのこだわりです。
基本セットは以下を含みます:
・TeleFiT テレファイフォ送信機 x1
・TeleFiR テレファイフォ受信機 x1
・TeleFiCharger テレファイフォチャージャー x1
・TeleFiC-l-d (※) テレファイフォカニューラ x3
・TeleFiTool 埋め込みツール/TeleFipho用 x1
・TeleFiDummy (※) テレファイフォダミー受信機 x1
・TeleFiphoソフトウェアインストーラ x1
(※) ご注文時にカニューラの長さとコア径をご指定ください。無指定で長さ5mm & コア径400µmです。
TeleFiC-l-d l: 長さ(mm、0.1mm刻み)/ コア径(µm、400 or 200)
例: 長さ3.5mm、コア径400µm: TeleFiC-3.5-400
テレファイフォ受信機はアナログ出力を備えており、サードパーティのデータ
記録装置で直接フォトメトリ―データの記録が可能です。PowerLabシステム
との相性は抜群で、オンライン/オフラインでのフィルタリング、イベント検出、
イベント頻度解析、オーバーレイ/加算平均、ビデオキャプチャなど、
ファイバーフォトメトリ―に適した様々な解析を行うことができます。
論文
Activation of septal OXTr neurons induces anxiety- but not depressive-like behavior
Tuanjie Huang, Fangxia Guan, Julio Licinio, Ma-Li Wong, Yunlei Yang
Mol Psychiatry. (2021) Sep 6. doi: 10.1038/s41380-021-01283-y.
Andrea Cardenas, Alexander Papadogiannis, Eugene Dimitrov
FASEB J. (2021) Jul;35(7):e21747. doi: 10.1096/fj.202100319RR.